【2026年】指扇アジサイまつり参加レポ!鎮守の森のヒメアジサイは四季咲き?調査結果と苗木ゲットまで

 

赤羽根自治会館前 花手水

指扇氷川神社ではヒメアジサイやエゾアジサイが見られると聞き、実は去年から気になっておりました。

https://midorinoportal.pref.saitama.lg.jp/event/2026sashiougiajizaimaturi/


ここでは毎年6月中旬過ぎに、あじさいまつりが開催されます。

2026年は06/20(土)、06/21(日)に開催されました。


【この記事で分かること】

・公式駐車場なし?車で訪れる際のアクセス事情と駐車のコツ

・境内に息づくヒメアジサイの来歴と、やっと分かり始めたホンアジサイとの見分け方

・ヤマアジサイとはここが違う!現地で触れて分かった「エゾアジサイ」のリアルな質感


目次


駐車場はある?アクセスは?


指扇氷川神社に公式の駐車場はありません。ホームページでは公共交通機関を使うことが推奨されています。

最寄り駅はJR川越線「指扇駅」です。徒歩12分程度で着きます。

あいにくの天気だったこともあり、私は車で訪れ最寄りのコインパーキングを使いました。


⋯⋯実をいうと、赤羽根自治会館側に10台程度の駐車スペースがありました。といっても、おそらく普段は関係者専用駐車場に見えました。今日は例外的に、一般来場者向けに開放されていたようです。駐車場入り口前に受け付けブースのようなものが設置され、四名ほどおじさんが待機していました。12:30時点で奥に2台駐まっていたのみで、ほとんど空いていました。


まとめとしては、朝一で訪れればほぼ駐められる。万が一駄目だったら駅近のコインパーキングへ。といったところでしょうか。


とはいえ確実に駐められる保証はどこにもありません。できるだけ公共交通機関を使うことをおすすめします。



会場の様子


入ってきた鳥居を振り返ったところ

神社に到着したのは10:15ごろでした。鳥居を潜って境内に進んだのですが、余りにも人がいなくて心配になりました⋯⋯。

しかし境内脇の、おそらくヒメアジサイに「B」と立て札があるのを見つけ一安心しました。

ここのイベントの一環として、毎年「アジサイ人気投票」なるものがあります。アルファベットを振られたアジサイの中から、好きな種類に票を入れるというものです。

どうやらイベントはちゃんと実施されているようです。私の日にち間違いではなくて良かったです。


さて、ヒメアジサイを通り過ぎ、ようやく境内の本拠地にやってきました。

目の前に赤羽根自治会館があり、何やら人の気配がします。まだ準備中のようですが、私以外のお客さんも訪れていました。買った苗木を袋に入れて持って帰っている方もいました。

運営の方と「おはようございます」などと挨拶を交わしつつアジサイのある場所を軽くリサーチ。そしてお目当てのヒメアジサイの苗木を探しに恐る恐る自治会館を覗くと⋯⋯地域の方の集まりでしょうか。私が入っても大丈夫?と不安になる雰囲気でしたが、勇気を出して入ってみると⋯⋯全く心配いりませんでした!


アジサイの苗木販売を発見

傘袋を頂いて傘をしまいつつ、スリッパをお借りします。すすすっ⋯⋯と館内に進むと、今日のジャズコンサートのリハーサル中でした。右脇の広縁で苗木販売が行われているのを発見。


アジサイの苗木は全て5号ポット500円。破格ですね。お隣にアジサイ以外の植物も少し置いてありました。ヒメアジサイはあるのでしょうか?


ありました!どれにしようかな⋯⋯と見繕っていると、販売担当の方が声をかけてくださいました。

気さくな方で、いろいろお話ししてくださいました。「アナベルが一番簡単」「アジサイは色が変わるから赤青用の肥料が楽」と育て方のコツを教えていただきました。

アジサイは今年は花つきが正直少ない⋯⋯のだそうです。去年の猛暑、去年〜今年の乾燥で冬芽がやられてしまったとか。ここは高台で砂地なので、地植えでも水をやらないと萎れてしまうそうです。


アジサイだけでなく、神社の植栽の様子についても聞かせてくださいました。

境内に杉のような苗木が植えられていたので、何故なのか尋ねてみました。ヒノキの苗木(多分3年生)であり、境内の古いスギが倒木の可能性があり伐採予定だから代わりに植えられた、とのことでした。もっともその方は「これ以上日陰になったらアジサイの花付きが悪くなるのにねえ⋯⋯」と何とも言えない表情をされていました。

選んだヒメアジサイの苗

苗選びもアドバイスをいただき、なるべく脇芽の多いものを選びました。さらにはお会計の後も話が弾んでしまいました。

「一年を通して色んなお花が咲くんですよ」と、境内の季節ごとの景色を切り取った写真アルバムを前に説明していただきました。



ヒガンバナの仲間を総称してリコリスと呼ぶのですが、最近はそちらにも力を入れているようです。確かに指扇氷川神社では毎年秋にリコリスのイベントも行われていたのを思い出しました。「アジサイ以外でもまたぜひお花を見にいらしてください」と送り出していただきました。



アジサイだけじゃない!ジャズコンサートのリハーサル風景

彼女と別れた後も写真を眺めていると、チューニングが終わったのでしょうか。ジャズバンドの本格的なリハーサルが始まりました。曲目はFly me to the moon 。ジャズの大定番ですね。私も大好きな曲です。


女性ヴォーカルのしっとりした歌声が、雨音と相まって艶やかに染み渡ります。彼女を囲むおじさま方がまた渋くて格好良いです。全て生演奏、アンプも使用していて本格的な音響でした。13:00〜の本番の前に帰ってしまったので本番は聴けませんでしたが、ちょっと勿体無かったな⋯⋯と後悔しています。来年はぜひ聴きに行きたいです。


アジサイの投票


最後に玄関前のアジサイ投票へ投票。私はヤマアジサイにしました。私含めまだ票が2個しか入っていなくて可哀想だったので⋯⋯笑。今のところアメリカアジサイの独り勝ちでした。


アジサイ散策へ

さて、苗木も確保できたことですし、アジサイ散策に入ります。最も目を引くのはやはりアナベルの植栽ですね。大きくてもこもこしていて存在感があります。

アナベルは新枝咲きなので、猛暑や冬の乾燥といった前年のダメージを受けても、こうして初夏には綺麗に咲きそろってくれます。こういったところも人気の秘訣なのかもしれません。お花も清楚で可愛いですし。

私もお庭があれば欲しいです⋯⋯。アナベルはすぐ大きくなるので鉢植えでは難しいのです⋯⋯。


指扇氷川神社のヒメアジサイは四季咲き性?

ヒメアジサイ

ヒメアジサイは至る所に植えられていました。見頃を過ぎていて色が褪せていましたが、一部にまだ綺麗に残っているものもありました。

指扇氷川神社 ヒメアジサイの葉


葉に厚みと艶があり、かなりホンアジサイに近い系統のようです。ぱっと見せられたら見分けられる自信はありません。しかしこの株も日当たりのいい箇所の葉柄が赤くなるという特徴があり判別できました。


──相模原のヒメアジサイを見た時から薄々感じてはいたのですが、ヒメアジサイの見分け方は葉っぱのツヤがどうとか花房の枝分かれがどうというより、「日当たりが良い箇所の葉柄が赤くなるかどうか」が最も分かりやすい気がします。

この特徴は「長野市立博物館 紀要第22号(自然系)」にも記されていました。


ところで、この立札の写真を見返していて気がついたのですが、品種名のところに「四季咲き」とあります。

"1929年、牧野富太郎博士が、北陸地方へ植物調査に出向いた時、民家に咲いていた大きなテマリ咲きの澄んだ青いアジサイを見て、お様のように優美だということでヒメアジサイと名付けた。 エゾアジサイの仲間で、葉に光沢も厚みもなく、早咲きで花色の変化が少なく、半日蔭でも良く育つ。

ヨーロッパでは、弱アルカリ性の土壌のため紅い花が咲いたのでハイドランジア・ロゼアと名付けられた。

神奈川県鎌倉市の明月院や千葉県松戸市の本土寺のアジサイは、ヒメアジサイで全国の名所で沢山植えられている。

ヒメアジサイは、秋咲き性を持っていて、その中から特に四季咲き性の強いものを選抜したものが四季咲きヒメアジサイ。 春から伸びた新芽が花芽となって、秋まで咲く。"

特に一番下の注記部分(ピントが甘くて読みづらいですが⋯⋯)に、決定的な記述があります。

"鎮守アジサイ園には、多くの 四季咲きヒメアジサイが植栽されている。更に、ヒメアジサイの 酸性の影響による花色の変化が観察できる特別に作られた環境もある。"

もしかしなくても、指扇氷川神社のヒメアジサイは安行四季咲きなのでしょうか。

苗販売の方のお話だと、指扇神社のこのヒメアジサイは地元に昔からある株で、冬芽が枯れたらもうその年の梅雨は咲かない、と仰っていました。このお話が事実なら、新枝咲きではなく旧枝咲き──または四季咲性を持つが花芽のほとんどを前年に形成するタイプ、ということになります。

ここでもう一つ思い出したのですが、安行四季咲きは埼玉県川口市安行由来の古い品種なのです。同じ埼玉県に古くからあるこの指扇のヒメアジサイも、同じ安行四季咲きという可能性は否定できません。

さらに言えば、仮に四季咲きだったとして、近年の夏の猛暑っぷりで秋まで咲かせるのは不可能に近いのも事実です。実際に安行四季咲きをお待ちの方のブログをいくつか拝見したことがありますが、いずれの方も「四季咲きにはならない。6月に咲いて終わり」と仰っていました。


まとめると、

・基本的には旧枝咲き

・花芽の多くは前年枝に形成されるので、冬芽の状態が花数を大きく左右する

・ただし一部の新梢にも花が付き、秋に返り咲くことがある


という四季咲き性の選抜個体であると考えられます。安行四季咲きであるかまでは断定できないのが現状です。

いずれにしろ、今回買ったヒメアジサイの苗を今年いっぱい育てて充実させ、もしも秋口に咲けば、少なくとも四季咲きヒメアジサイということは確定します。今後の成長に要期待ですね。


珍しいツル性アジサイ「イワガラミ」

お次はこちら。

イワガラミ

イワガラミです。ツル性のアジサイは数年間かけて本体を大きく充実させないと花が咲きません。一般家庭、ましてや鉢植えで実現するのは不可能に近いので、ありがたく拝ませてもらいます。


こうして見ると、葉っぱはアジサイというよりアイビーに似ています。面白いですね。


噂のエゾアジサイを発見

そうしてさらに奥へ行くと──ヤマアジサイとは少し雰囲気の違う、小型のガクアジサイを見つけました。清楚な青い花を咲かせています。

そうです。これこそがエゾアジサイでした。

指扇氷川神社のエゾアジサイ

新しく元気の良い新鞘だけ見ると、ヤマアジサイとさほど変わらないシルエットです。しかし花のすぐ下の葉は鋸歯が粗く、毛も相まってシソみたいです。

指扇氷川神社のエゾアジサイの葉

葉を触ってみると、厚さはヤマアジサイと変わりません。しかし葉の表が毛でざらざらしていました。

系統にもよりますが、ヤマアジサイは意外と葉っぱはツルツルの物も多いです。エゾアジサイはさすが毛深いですね。


その他のアジサイ

園内にはもちろん他にも数多くの種類のアジサイがありました。あまり細かい品種分けは拘っていないらしく、立て札が無いものも多くみられました。有志の皆様がそれぞれ気に入ったものを持ち寄って今のアジサイ園が出来たのでしょう。地域の人々の温かみを感じます。
ヤハズアジサイ

ヤハズアジサイ

ガクアジサイ

ガクアジサイ(アマチャ?)

大島緑花

ピンクアナベル

斑入りヤマアジサイ

ウズアジサイ



会場の裏斜面も必見!

境内を出て、裏側の坂道に行ってみました。自治会館側から覗くと、斜面にアジサイがたくさんあるのを見つけたからです。


遠目で見ると同じに見えていましたが、近づくと三河千鳥、ホンアジサイ、ヒメアジサイなどいくつかの種類がありました。斜面の奥にはエゾアジサイらしき物も見えます。

ホンアジサイと赤羽根自治会館

坂道を引き返し、帰りに神社の向かい側にあるアナベルコーナーを鑑賞し、散策を終了しました。



まとめ

こじんまりした地元のお祭りですので、鎌倉のように人でごった返すことはありません。ゆっくり好きなだけ散策できました。


・写真映えより珍しいアジサイを観察したい

・趣ある神社で静かなひとときを味わいたい

・アジサイの苗木が欲しい


といった方におすすめのスポットです。

次回は(四季咲き?)ヒメアジサイ苗の植え替え編です!


鎮守の森のヒメアジサイについての追記(2026/06/24)


指扇アジサイまつりを主催している「氷川の森 花の友」さんの代表者の方の連絡先を見つけたので、直接電話で問い合わせてみました。


伺ったお話をまとめると、次のような主旨がわかりました。


・昔四季咲きのヒメアジサイを仕入れたことがあり、確かにアジサイ園内に植栽されている

・しかし園内のほとんどは普通の一期咲きのヒメアジサイ

・安行四季咲きではない

・四季咲きのヒメアジサイは、条件が揃えば秋にも咲くかもしれないが、ほとんど咲かないので実質一期咲きとほぼ違いはない


私が買ったヒメアジサイの苗についても、「四季咲き」と書いていなかったのであれば、おそらく園内にある普通の一期咲きのヒメアジサイだろうとのことです。

とても親切な方で、「お近くでしたら直接現地で説明しましょうか」とまで言ってくださいました。残念ながら私の自宅から指扇は遠いためそれは叶わないのですが、代わりにアジサイにまつわるお話をたくさんしていただきました。私がアジサイを育て始めるよりずっと前の品種の流行り廃りなども聞けて面白かったです。

以下にお聞きしたお話をいくつか共有します。


・ヒメアジサイの青い花色が珍重されヨーロッパ人に持ち込まれたが、ヨーロッパのアルカリ性土壌ではピンク色になってしまうため「ロゼア」と名が付いた。そのせいか、フランスでは勝気な女性(Femme énergique)という、日本での印象とは全く違う花言葉が付けられた。

・ヨーロッパに持ち込まれた四季咲き性のヒメアジサイとして有名なエンドレスサマーは、以前はどこでもあるくらい流行っていた。アジサイまつりでも販売したことがある。

・最近発見された珍しいアジサイ「大島緑花」に見られるように、最近は緑色に咲くアジサイが注目されている。

・アジサイは花が散ることがない。東北などでは雪の中で花が残っていることもある。中でも秋まで綺麗に花の残りやすいものを「秋色アジサイ」と称し、以前とても持て囃された。


お話の最後に、アジサイは日本固有の植物で世界に誇れる素晴らしい魅力を持っている、と仰っていました。

とても熱のこもった、何より楽しそうにアジサイのことを話される様子に、この方は本当にアジサイが大好きなんだな⋯⋯!と感銘を受けました。思わぬ形で楽しいひとときとなりました。


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